2013年3月9日土曜日

スフレ・オムレツ

日常生活にブクブク沈みきった日々を過ごしています。原稿どころか、文章らしい文章すら書いていません。そしてそれに焦るどころか、そういう事を考える余裕もない無心の状態。無我の境地で赤子に乳をやり、長女をお稽古に連れて行き、宿題の朗読を白目で聞き、飯を炊き、オムツを替えてオムツを替えてオムツを替える日々です。
それがしんどいかというと、そういうことを思う余裕もなく。無心に働くマシーンです。オカンロボット(お小言機能搭載)。
何にも考えないでいいというのは、ある意味とても幸せなことなんですけども。

ともすれば、自分が文章なんか書いていたことがあったんだろうかと。小説ってどうやって書いてるんだろうっていうくらいの忘我っぷりになってくるので危険です。

しかし先日、そこらへんを片付けていて、古いiPodが出てきたので、なにげなく電源ケーブルつないで再生したところ、ちょうど以前、「新星の武器庫」などを書いていた神がかり時代の執筆用BGMが入ったまんまになっていました。

人間の脳みそって、どういう仕組みになってるんでしょうか。執筆用BGMを聞くと、パブロフ効果か、その時に使っていた脳みその回路が活性化されるようで、頭の中に懐かしのタンジール王宮やらグラナダ宮殿のオープンセットが出てきます。

空想の世界っていうのはいいもんですね。予算とか、技術的なあれこれを思う患う必要もなく、絢爛豪華なセットだろうが、大量の兵馬だろうが、何でも調達できるし、思いのままです。

そんなスペクタクル〜もいいですが、山奥の学校の食堂で、ごはん作ってるような話もいいし。

またいろいろ書きたいなあっていう気が、またやっとしてきたんですが、またまた日常にブクブク沈んでしまうのかなあ。
オカンロボットのスイッチを一時的にOFFにするのって難しいっすね。

そんなことを思いつつ、長女とスフレ・オムレツを焼きました。電動の泡立て器を買ったので、その試運転を兼ねて。
いまいち上手に焼けなかったけど、でもちゃんとフワフワのスフレになっていました。
これは「カルテット」のシュレーが好きな料理という設定なんですが、本編ではまだオムレツを焼くシーンは出てきていません。
電動泡立て器がないと、これを作るのは凄く大変です。

スフレ・オムレツはフワフワしていて、泡雪のような頼りない食感なんですが、シュレーのような頑固で真面目な子が、こういう舌触りを好むというのは、なんだかミスマッチで面白いです。

もともとは、トルレッキオ学院の何となくのモデルにしていた、フランスのモンサンミッシェル修道院の名物料理が、このスフレ・オムレツだということで、もらってきたネタだったんじゃないかと思うんです。(もう記憶がおぼろ)
そして卵は「カルテット」には重要なモチーフなのでね。卵が時々、小道具で出てきます。

シュレーがスフレ・オムレツを作るのは、気合の入った朝や、機嫌の悪い時ということになっていますが、卵を泡立てるのにパワーが必要だからでしょうね。
しかし、頑張って作っても、なぜかイルスのオムレツのほうが良く膨らむらしいです。
料理は経験なので、きっちり分量計ってレシピ通りに作っている人より、ほんのちょっとの火加減、匙加減で、てきとーに作ってる人の方が美味しいものが作れたりする事はよくあります。
そういう訳のわからない理不尽な相手が、シュレーにとってのイルスなのだなあ、と、すごく久々に中2っぽいことを思ったりしたんですが。

スフレ・オムレツは娘に好評で、毎日作ってって言われたので、面倒臭いな、って、遠い目になりました。

今はなぜか「地方巡察」のエル・ジェレフと、「名君双六」のリューズを書きたいです。書きたいというか、完結させたい。
頭の中の書斎で、長いこと、書きかけの原稿が出しっぱなしになっています。

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