2013年5月4日土曜日

大河ドラマ「八重の桜」が面白い

今年も大河ドラマを録画で見ています。
これまでの大河ドラマで一般的な、戦国武将であるとか、その妻であるとかいうような、いわゆる歴史上の重要人物というほどではない人物、新島八重という女性が主人公ということで、「今年の大河は地味そうだなー」と思っていたんですが、あんまり期待せず見たせいか、なんだか凄く面白いよ!

まず、画面が凄く美しいです。
きらびやかな衣装が出てくるわけではないですが、映像美を生み出すために映画用のカメラを導入したということで、画面に射す光がとても美しく、すべてのシーンが一枚の絵のように見応えがあります。

俳優さん、女優さんたちも、すごく美しい。子役から老け役に至るまで、皆さん、その役柄の位置づけでの美しさが際立っていて驚きます。
主人公役の綾瀬はるかさんも、もちろん、美しいし可愛らしい。素朴で清潔な美しさを放っています。
俳優さん達も皆さん凛々しい。
従来のドラマでもお馴染みの、幕末の志士であるとか、大名や将軍といった、歴史好きでない一般にも名の知れているキャラクターも登場しますが、その一人一人が、なんだか意外というか、名もない人たちと混ざって時代を演じる時に、この人も当たり前の人間として、同時代人たちと関わり、力を尽くしてきた普通の人なんだな、という印象の湧く、素顔の人物であるような感じがします。
キャスティングや、俳優さんの演技の妙味でしょうか。
今までにない感じ。有名キャラだからって、取り立てて贔屓やクローズアップはされず、今年の大河ドラマで初めて知るような人物たちと、違和感なく溶け合っています。
もの書く立場から見て、それってすごく上手い。センスのいることです。今年の脚本やってる人、上手いんだなあ! って、見ながら驚きっぱなし。
だって、西郷隆盛とか新撰組とかが脇役で出てきちゃうと、どうしても人気のあるそういうキャラが悪目立ちして、比較的無名である主人公たちが霞んだり、傍観者っぽい立場に立たせてバランスを取る以外になくなりそうですが、今年の大河の主人公たち、ちゃんと主役を張れてるよ。それだけ人物として魅力的に造形できているってことで、相手が幕末の偉人なんていう強烈オーラのキャラだけに、すごい筆力のあらわれだと思います。
キャスティングや、俳優さんの演技も、その脚本の魅力を理解して活かしているなって、現場の方々の良い連携がうかがえ、見ていて気持ちがいいです。

このドラマ、震災に傷ついた東北の人々の気持ちを盛り立てるために作られたのだろうと思いますが、面白くて、東北応援ドラマとか、そういう部分が、良い意味で忘れされます。そういえばそうだったなって思うくらい。
そういうのでないと、むしろ意味をなさないというか、東北の人の誇りにはなれないだろうな。東北可哀想だしドラマ作るね、みたいな押し付けがましい仕上がりだと、なんか「余計なお世話だよ」って思えそう。
自分が神戸で被災したせいで、そういうことを思うのかもですが、嬉しい親切と、逆に凹まされる親切とがある。
「八重の桜」がつまんなかったら、余計なお世話になるだろうな、って心配してました。それこそ余計なお世話なんだけどさ!

会津の訛りも美しく魅力的です。
随所に描かれる、人々の頑固さ、忍耐強さ、勤勉さも魅力的。
苦境に、黙って耐えて働く強さ、しかし単に打ちのめされているのではない胆力も感じます。
今のところ、会津藩の人々は、時代の重圧に押しつぶされ、強くたわめられた竹のよう。ただただ押しつぶされるのではなく、その重圧を、力に変えて立っているような印象があります。それを跳ね返す力を持っているような感じを受ける。

これを書いている人は、ほんとうに上手いなあ。
東北がんばれって、百回言うよりも、こういう風に、「あなたは強いんでしょ、よく分かってるよ」って、行間にひそやかに書いてあるほうが、きっと良く伝わると思うし、美しい。
その静かな強さも、このドラマを面白くする要素だと思いますが、それにはそもそも、素材となる時代や人々が、実際に持っている強さや面白さが不可欠でしょう。

もの書きって料理人みたいなもんだろうなって思います。
時代や人間て、だいたい面白いもんです。どんな人も面白い。その素材の味を引き出す技術をもって執筆にあたれば、面白い物語ができあがるのだという気がする。
素材を理解して、活かす力が、書く人に求められるのでしょう。

今年の作り手さんは、素材を活かした美味しいドラマを見せてくれているなと思います。
この先も年末まで、美味しいフルコースを堪能したいなって思います。

新島八重さん。「なんだまた女大河かー。どうせ恋愛要素とかなんでしょ、また」とか思っててゴメン。(すんません、ロマンス不感症でダメなんす)
籠城戦で最新式の連発式ライフルをぶっ放して敵の大将を次々狙撃する女性スナイパーなんて萌えすぎでした。七連発元ごめ式騎兵銃? スゲー! かっけー!
一騎当千の猛者にも匹敵する戦果の戦いっぷり。そんな人がいたなんて知らなかったなあ。
これからも「八重の桜」から目が離せません。

徳川慶喜さんがズルいのが最近なんか萌えです。俳優さんがあの人なのも面白いわあ。政治家って口が上手いよねえ。自分に都合のいいことばっか言っちゃってさ。なんだか見ていてニヤニヤしますわ。
いい演技してはるなあ。

あとやっぱ八重のお兄さんが凄く魅力的な第二の主人公だと思います。
爽やかだよね。個人的に兄幻想があるので、ああいうお兄ちゃんキャラに弱いです。
ていうか、お兄ちゃん目まで見えなくなっちゃうのか。あたくしの中でイェズラム様萌えが疼く(^^;; 意外なとこで自家中毒が……!!
つか、鉄砲撃つ人が目を患うなんて、できすぎって思うけど、これ史実なのだろうか。事実って本当に小説よりもすごくドラマティックですね。
お兄ちゃんがこの困難をどのように乗り越えていくのか、それにも手に汗を握ります。がんばってくれ!

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