グレンダール・クロニクル(準備中の競作企画)の構想用に書いてみた習作。インサーラー編。
オンノベ手書き部の活動として紙に手書き→スキャンしてGoogle+にupしていたものを、右近さんがタイプしてみてくださいました。直書きのほうが効率いいよという結論に……orz いや、それはそうなんですが。
手書き&縦書きだと、文章がちょっと普段と違うような気が自分ではするんですが、たぶん他人目には何ら変わりません。書くのが面倒くさい漢字を避けたりはする。(アカーン)
以下はタイプしていただいた原稿データを確保するためコピペしています。
見渡すと平原に六十人余りもの狩人がいた。風になびく羽飾りや、色とりどりの布、様々に異なる部族の様式をした矢羽根が見受けられる。
ナラはその光景を、彼らの殿から見つめていた。狩猟は巫女の仕事ではないからだ。狩の成功を祈ることはあっても、それは村々の社でのことで、狩人たちに同行することはない。日用の糧を得るための仕事と巫女は無縁なものだ。
平素はナラも掟に従い、社にこもって機を織るのがつとめだった。機にかけた織りかけの布のことナラは思った。
気のすすまない狩りである。男たちの高揚は殿に位置していても風に乗って伝わってきた。
彼らは待っている。土をゆるがして走るオリオックスの群が平原を駆けてくるのを。
群の行く先は気まぐれである。巫女たちの占いによって、狩人たちは群を待ち伏せる。
今日の群の到達は、ナラが占ったものだった。
ハリオンの男が夢を見たという。オリオックスの群れを率いてくる、神獣の夢だ。頭に巨大な光砂結晶を角のように生やしている年経りた雄で、群れの首長でもあるが、光砂との共存を果たし、どうやら一帯の獣たちの主にも成らんとしているらしい。
夢で、その主と、ハリオンの男は語り合うたらしい。友がらとも、兄弟とも呼び交わしたという。
それゆえ、オリオックスの群れを率いる神獣は、ハリオン族のもので、夢に見たという、その男のものだという。
神獣を従えることができれば、部族には名誉がもたらされる。多くの獲物もだ。
男たちは名誉と肉のために神獣を求めるが、果たして、年経りた獣が、人のために尽くそうなどと申し出てくるものだろうか。
ナラは疑っていた。
もしも本当に、そのハリオンの男が神獣と心を交わした仲だというのであれば、その友と平原で出会うために、ナラの占いなど必要としないはずだ。
運命によって結びつけられた者は、否も応もなく、出会うべくして出会い、離れ難く結わえつけられる。誰の力を貸してやらずとも。
そういうもののはずだ。ナラは風のなぶる髪を頬から指でとりのけた。
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