2012年3月13日火曜日

書き写しノート

朝日新聞の天声人語というコラムを毎日書き写すためのノートというのがあります。割と売れている商品のようです。

なぜそんなことをするんだろうと個人的には不思議です。

推察するに、特に天声人語が好きだからということではなく、毎日なにかをする習慣として、「手書きの字を書く」というのは、良いものであるし、是非やろうと思うが、毎日、自作の文章を考えるのは骨が折れる。すでに決まった内容のものを書き写すのであれば、気が楽だ。新聞のコラムなど良いのではないか。文字数は一定であるし、時事的な話題にも毎日触れることができて、ためになりそうだ。一石二鳥ではないか。と、いうような感覚なのではないかと思います。

いや、わからないです。天声人語を毎日書き写したいほど好きという人が大勢おられるのかもしれませんよ?
ただ私は何となく好きではないのです。受験の時に半強制的に読まされた経験があるせいかもしれません。

しかし、毎日何かを書き写すというのは、中世の写本僧のようで、いいじゃないか。萌えるー、とか思って、試してみました。題材は「枕草子」です。

一段目を書き写してみて思いました。
しんどいわ、これ。
なぜだろう。自分の文章なら何ページ書いても平気なくせに、清少納言の名文が疲れるというのは?
「書く」という作業と、「書き写す」という作業は、どうも何かが本質的に違うようです。
枕草子の一段目は、私は丸暗記していて、知らない文章を読みながら書く大変さは無いはずですが、でもやっぱりこれを毎日コツコツ全段写すというのは、大変な労力が予想されます。同じ文字数の文章を自分で書くほうが、はるかに楽です。

なんだろうね、これ……。
こんな大変な事を日課にしている人が大勢いるとは、驚きです。

ちなみに、書き写しに使ったノートは、アピカのCDノートブック プレミアムです。「シルクのような滑らかさ」
確かに、ツルッとした紙です。
万年筆には、そういう、ツルッとした紙がいいのだそうです。
が、書いていてあまり気持ちいいとは思いませんでした。かといって気持ち悪くもないです。私には特になんの印象も残らない紙でした。
程良い抵抗感のある紙が好きだからかもしれません。スマイソンのフェザー・ウェイト・ペーパーのほうが気持ちがいいです。他、ミドリのMDペーパーとか。
モレスキンの紙も書き心地そのものは好きなのに、ほとんどのインクが裏抜けするのが難点です。

書き心地が好きな紙で書いたら、写経も楽しかったのでしょうか。

インクはモンブランのオイスターグレーです。吸入してから時間がたったので、ペンの中で水分が抜けたのか、色が濃くなりました。

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