2012年3月15日木曜日

乙女堂へようこそ

メインのメールアドレスとしてGmailを使用しています。
届かないメールがあったので、迷惑メールフォルダを見たら、そこにあったんですが、その他に、Mail Dwarfが送ってきた、メールフォームからのメッセージが何件も入っているのを見つけ、ギャーッてなりました……orz

ちょ、Googleさんよ……!
い、いえ、いつもお世話になっております……。

幸い、乙女堂へのパスワード請求メールでした。
これはMailDwarfに自動返信を設定しているものなので、肝心のパスワードは、お送りできているものと思います。
いただいたコメントにも、基本的にお返事していません。
こういうものは、機械的なほうがパスワード請求しやすいという意見を、開設当初に聞いたので、そういうふうにしているのです。
しかし勿論、毎回ありがたく読ませてはいただいておりまして、私の励みだったのに……Googleさんよ……。

でも心配ない。MailDwarfは優れたツールです。サーバーに、送信していただいたメッセージのログが残っています。そちらでちゃんと確認できました。

乙女堂は、今現在、完全に停止しております。ブログの更新すらありません。
ただのログ倉庫になっています。余裕がなくて、そっちまで手が回らないというのが正直なところです。なにせ本館さえ休止中なものですから。
でも、やめたいという事ではないので、しばらく放置ですが、このままあります。

しかし何書いていいか分かんなくなったというのも、ありまして。
これ多分、期待に応えられてないなというのは実感としてあるんだけど、じゃあ具体的にどうするといいのかなっていうのが、自分ではピンと来ないんですよね。
いろいろ修行が足りません。

でも、何か、乙女堂に限らずですが、今回いただいていたメッセージ等を読ませていただいていると、「椎堂さん、とにかく何でもいいから何か書いたら?」というのが、皆様のご意見というか励ましとしてありまして、そうだな、とにかく何でもいいから何か書いたらいいな、と思いました。


最近ちょっと親ばか汁に脳を冒されすぎてて、オカン・スイッチがオフになる瞬間がほとんどありません。「娘が娘が娘が可愛い可愛い」とかいう信号がひたすら脳内を流れています。それはそれで、良いことなんでしょうけど、常にそれっていうのも、なんか怖いよね。

私、何年か前に突然山ほどの原稿を書いていましたが、あの時期も勿論、育児中でした。今より忙しかったと思います。あの頃に比べたら今は暇だなという気もします。
でもまあ、忙しかっただけに、ストレスも解消したかったのかもしれません。
それもありますが、当時やっと人語を話しだした、ようせいのしまから来た、違いの分かる幼児と会話していて、うちの夫はカテゴリーとして絵描きなのですが、パパはお絵かきをする人だけど、ママはなにをする人なの? と、突然尋ねられたのです。
その時、「ママはあなたのお母さんでしょ」みたいな事を軽く答えたと思うんですが、娘が
「それだけ?」
って、お前にはほんとに失望したよみたいに言いやがるんですよ。
その時に、もう、なんかしらんけど、すごく衝撃を受けたんですね。
そして思い出したんです。「そういえば、私は小説を書く人やないか!!」と。
それくらいしか無いなというふうに思ったのです。それしか能のない人間が、それをやらないで、どうしようっていうのかなと。
たぶんその一両日中くらいに、「紫煙蝶」を一気に書いたんだったと思います。
なんだか良くわからない理由によって右脳への扉が開いたんだね……(^_^;)
自分の中に、普段の生活では全く使わないインナーワールドが、消えずに相変わらずあるのだなというのを感じたのです。

それは別に、一切表現せずに、自分の中にしまったままでも、幸せには生きていけると思います。そのことを思い出さなければ。
実際、私も、子供に「それだけ?」って言われなければ、忘れたままだったかもしれません。だってお母さんだし。育児や家事を一生懸命やるほうが偉いんだし。24時間体制でお母さんなほうが偉いっぽくね? 頑張るってそういうことじゃね? 育児は滅私奉公ということじゃ?

それはそれで偉いんでしょうけども。
でもまあ、必ずしも、そういう事でもないかもしれないですね。


「紫煙蝶」の最後のほうで、ジェレフの死を悼むエル・メッシナという少女が、

「私も欲しいの、自分の英雄譚《ダージ》が。なんでもいい、英雄らしい物語じゃなくても。自分が生まれてきたことに、意味があったと思えるような何か」
という話を、めそめそ泣きながらイルスに話しますが、書きながら、ああ、まあ、そういうことやなと思いました。
私もたぶん書きたかったのです。英雄らしい物語じゃなくても。自分にしか書けないような自分のための英雄譚を。
上手くて面白くて、ためになる物語は、私ではない誰かが書いてくれるでしょう。
こういう言い方はよくないかもしれませんが、面白い、良い作品を書こうというんではないんです。ただもう自分の中から垂れ流されてくるものを書き留めたようなのでもいい。誰が読んでどう思うかとか、そういうことは関係なくて、思いついたものを、ただ書きたいということでした。

それはとても楽しい作業です。
まして読んだ人にもそこそこ面白いと言ってもらえるというなら。

しかし育児というのも楽しくやりがいのある仕事で、育ちゆく我が子を見るにつけ、自分のような人間がやってのけられるなかに、この子が世に生まれでる手助けをするよりも、優れた仕事があるだろうかという気もします。子供を育てて、それが終わったときに、自分にはなにも残らなくても、それはまあ、それでいいかなみたいな。それはそれで十分、満足できる人生のようなね。

でもそれじゃあ人として、つまんないのかな、という。

今は、その二つの気分のせめぎあいです。

小説を書くというのは、自己表現したいという欲が必要な作業なのだと思います。
多少なりと、俺が俺がという貪欲さがないと、いいものなんか書けないんじゃないかな。
私にいま足りないのは、その欲ではないかと思います。
自分にしか書けない自分の物語を、この俺様が書き著してくれようぞという、ちょっとバカかみたいな、そういう意気ではないかと。

優しい読者さんからのコメントを見ていると、時折、皆さん、「椎堂さん、あなたにしか書けない物語がある。私はそれが好きだ」というような事をささやきかけてくれます。ありがたいことです。
私もですが、書く人は、極力それを真に受けるべきと思います。
自分がいかにしょーもない人かということは、本人が誰よりもよく知っているものですが、そう思っていては、たぶん小説なんて書けやしないのです。
いい気にならなきゃだめなのよね。

私は今ちょっと己の分を知りすぎてると思います。
そんな無駄な悟りなどひらかずに、元通りのバカになって、また書いたらいいと思います。

それにしても、今見ても思うけど、「紫煙蝶」のラストで、イルスはメッシナちゃんを口説いてもよかったんじゃないのかな?
書いていた時、なんだかイルスはすごく、あの娘に気があるような感じがしたのです。
でも、なんにも言わないのね。ちょっと意気地がないんじゃない?
それともあの後、気晴らしにどこか行く? とか誘ったのでしょうか? どうなの?
誘ってもいいと思うよ。そんなことをしている場合ではなかったか?
でも、お前ももう18歳ぐらいなんだろ。もうちょっとガツガツしろよって。
いろいろ心配になります。彼は、この物語を最初に書きはじめたころ、私よりずっと年上のお兄さんでしたが、今では息子のようなものです。おとなしくて引っ込み思案のイルスが、モテないっぽくて心配です。
うちの子にしたいランキングだったら、あの四人の中ではシュレーかな。なんかほっといても平気そうだしラクそうだから(^_^;) でもそういう子に限って、とつぜん世界征服を目論んだりして、一番ハラハラされられたってオチなのかもしれません。
昔は、リューズ・スィノニムの親ばかっぷりが異常と思っていたけど、今は、「あれっ、割とふつうじゃね(・∀・)?」って思います。
私も遠くの寄宿学校に子供を送り込むのなら、仲良くできそうな子と同室になってくれるといいなと思います。うんうん。思う。でも、思うけど、だからって学校に電話して「うちの子を○○くんと同室にしてくれなかったら火つけてやる」みたいな事はさすがにできない。異常すぎて。
リューズはやっぱ異常な親なんだな。でも父上はあれでいいと思うよ。フィクションなんだし、実在の人物じゃないから。
実在してたら保護者会で輝けると思うよ……。
そう考えると、序盤の族長会議で会ったヘンリックとリューズの会話は、入学説明会に呼ばれて来た親っぽいよね。そう思って、振り返ると、あのヘンリックは普通の人すぎてびっくりするよ。
親もいろんな人いるよね……。そんな新視点も加味されてしまったので、ずっと前からリテイクしたいと思っている、族長会議の章が、ただの保護者会になりそうで心配です。
リテイクして、序盤で、シュレーの叔父さん、ハルペグ・オルロイと、シェルのママを登場させようかと思っているんですが、どうしたもんかなあ。出だしで、序盤にはあまり登場しないキャラクターが四人も出てくるというのは、構成的にイケてないし、うーんうーんと思って止まっています。

そういえば、トルレッキオ学院の制服って、みんなは、いつ買ったんだろうね?
時代背景的に、いちいち仕立ててると思うんだけども。いつ採寸とかしたの?
改めて考えると、「不思議だね」っていうところが、大小すごく沢山あります。
最初、到着したばかりのイルスは、まだ制服持ってないほうが、リアルだったかもしれないよね。初対面のときのスィグルが、僕は部屋では民族衣装を着るからキーッみたいな話をわざわざしていたのは、学院の仕立て屋に自分用の制服を縫ってもらったばかりで、なにこの変な服と思って欝だったのかもしれないです。だって、元々、嫌々通う学校の制服が、例えば、かぼちゃパンツだったとかいうことになったら、そりゃ誰だってキレるよね。設定では、黒エルフは裾の長い服しか着ない民族だけど、トル学の制服はチュニック丈だから。殿下は実は足を出すのが恥ずかしかったのではないのか。生足じゃないけどさ。足のラインが出るのが「なにこれ!?」だったのかもしれないよ。行ってみたら制服がミニスカだったみたいなね……(どうでもいい新視点)
あれ、でも、そういう意味では、シュレーも裾長い服しか着たことないはずだけど、その割にはミニスカ制服に平気で耐えているよね。シェルも全然平気だったっぽい。あいつらおかしいよね。

そのへんの細かいところ、実は考えたことがないんですよね。私が中学生で草案を書いた時には、「学校なんだから制服あるだろ」的な、イージーな発想で書いていたと思うんだよ。
でも、今にして思うと、学校の制服とか学用品て、入学事前に、親が学校から連絡もらったり、説明会に行ったりして、リストをもらって、買い揃えたり作ったりしているんだよね。子供はまだ自分では用意できないのだからさ。そのへん本人たちが全然意識していないというのは、リアルでいいと思うけど、でも、そのあたりの経緯を念頭に書いてもよかったよね。

ということを、リアルで自分の子が小学校に持っていく「数え棒」っていう、太い竹串程度のプラスティックの棒100本に、1本づつ名前を書かないといけないとかいうのに直面して、初めて思いました。あと、体操服にアイロンプリントしないといけない校章も、どっちが上だかわからないという困難に直面しています。
ケータイのメールで先輩ママ友に聞けばすむ現代でも、けっこう困るのに、あんな中世みたいな世界で子供の学用品を不足なく揃えて送り出すというのは、相当に難しいことだと思うので、リューズが必要でもない訳のわからないものを、山ほど子供に持って行かせるのは仕方のないことだという気がする。そのくせ、肝心な、必要なものが無かったりするんだろうな。
持ち物に油性マジックで名前は書いていないと思うけど、だからその代わりに紋章とかがあんのかって、納得もしました。幼稚園の入園のときに、持ち物に「じぶんマーク」っていう目印をつけるんだけど、あれと原理的には同じだよね。紋章。
レイラスの学用品にはぜんぶ、ハチさんのマークがついてるんだな……。

学校ぐらい、私だって通ったことあるし。
と思っていたけど、実際自分でいろいろ経験するまで、私は「学校に行く」ということの全体像を見てはいなかったな、などと思います。
でも、見ていなかったからこそ書けるものでもあったかもしれないし。
今書くと、ぜんぜん違うものになったかもしれないですね。

あれ。なんだか久々に、「だから何?」みたいなことを延々書いてしまいましたが、脳ログ調子戻ってきたんじゃね?
訳が分からん長話ですみません。このへんでブチッと終了しよう。
では皆様また次回。

2 件のコメント:

  1. ムスメさん、頑張れ! もう一回「それだけ?」って言え!
    ……と、読者としては思いますが、もし、「あなたを育てることが私の英雄譚なのだ」ということをキッチリ子供に伝えることができたなら、それはすごくすごくすごくすごく凄いことなのだろうなとも思います。
    偶然、つい先ほど「紫煙蝶」を読み直したところだったので、なんだかとても感慨深く思いました。以前のNologで、イルスが娘とサーフィンする話のところも折につけ読み返してしまいます。とりとめもないコメントですが、私の中では上記はなんとなくつながっている話なんです。スイマセン……

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    1. うちの娘ももう六歳過ぎてタダの人になりましたので、「それだけ?」って言うどころか、「ママ遊んで遊んで〜!」とか「リカちゃんの服作って!」とか「USJ連れて行って!」とかいう呪文を発して私の時間を遠慮無く消費しています。
      子供の神通力に頼っているようではイカンのですよね(;´Д`)自力で頑張る!

      イルスが娘とサーフィンする話って、具体的に何を書いたのだったかと焦って、旧・脳ログを検索してみましたら、ありました。
      http://nolog.seesaa.net/article/150900066.html
      これ、もう、二年も前の記事なんですね。(ギャーッ)
      この原稿は結局、着手もしませんでした。作中の時間軸的に、未来の話すぎるというのもありましたが、書きたいとなったらそんなもん屁でもない私が、書かなかったというのは、結局はまだ書けなかったということかなーと思います。
      イルスは自分の死を恐れているキャラクターですが、生涯に二度、その恐怖を忘れ去る瞬間というのが設定してあって、一度目は学院編でヨランダに初恋をしたときで、二度目は娘のフェリスが生まれた時です。上に男の子が二人もいるのに、その時にはそれほどでもなかったらしいイルスが、娘かわいいムスメムスメ!!ってなるのは少々気持ち悪いんですけども、なんか妙なリアルさもありますので、それでOKと思います。
      自分の病質を受け継いだので、特に思い入れがあるというか、責任を感じた、ということなんでしょうね。もうちょっとしたら書いてみたい気がします。
      その頃になるとイルスはジェレフやヨランダのことを、どんなふうに思い出すのだろうなあと不思議な気がします。
      自分の作るキャラクターなんだけど、架空の人物って、自分自身ではないので、この人なら、どう考え、どう行動するんだろうって空想すると、なんだか良く分からなくて不思議ですよね。昔からよく知っている古い友人みたいで、あの人ならきっとこう考えるだろうっていうのは分かるけど、でも結局は、会って話してみないと(書いてみないと)わからない、みたいなところがありますね。

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